皆さんが大学に入って一番最初に触れた数学はなんでしたか?
僕は線形代数学でした。大学入試が終わった直後はそのうちやるだろうし予習しとくか~といって予習を少ししていましたがしょっぱなからその話だったのでびっくりしました(笑)。
線形代数ってなんだ?
まず、線形代数学という言葉を考えましょう。線形代数学という言葉は「線形」「代数学」という単語からなります。それぞれの言葉を辞書で引くと
線形は、「一次式であらわされる関係」
代数は、「数の代わりに文字を用い、計算の法則、方程式の解法などを主に研究する分野」
と出てきます。つまり、線形代数学は
「文字であらわすと一次式的な関係を持つ計算法則、方程式についての学問」
と言えるでしょう
具体的な例
xの関数 f(x) = 2x について、
f(12) = 2 × 12 = 24
これは次のようにも計算できますね
f(12) = 2 × ( 10 + 2 ) = 20 + 4 = 24
この計算結果をよく見ると、次の等式が成り立つことがわかると思います。
f(12) = f(10) + f(2) = f(10) + 2 f(1) (・・・①)
f(12) を、f(10),f(1)の組み合わせであらわすことができました
一方、xの別の関数 f(x) = x² を考えます。
f(12) = 12² = 144
これも先ほどと同じように複数の値に分割できるか考えます。
f(12) = (10 + 2)² = 10² + 2 × 10 × 2 + 2²
= f(10) + 40 + f(2)
一次式のように、f(10)やf(1)の何倍かをたしあわせてf(12)を表すことはできなさそうです。
こういった、関数の値をほかの簡単な関数の値の何倍かの和であらわすことのできる性質のことを「線形性」といいます。
一般的に
これを「代数学」の意味にのっとって文字で置き換えて説明すると、
f(ax + by) = a f(x) +b f(y)
となる関数は「線形性をもつ」と言います。わからない方は①をじっくり見てみてください。
線形代数学では、こういった性質をもつものを一般的に(代数的に)扱います。
”まとめると、一次関数みたいなのが線形性を持つってこと?”
半分正解半分不正解です。
というのは、実際に大学の教科書を開いたりしてみると、ベクトルや行列の話ばかりで、”どこが代数学なの??”となります。実は教科書は線形性のある「関数」はほとんど扱っておらず、線形性のある「写像」を扱っています。
”写像?写像って何すか?”という方、ぜひ次回の記事をご覧ください。
おわりに
この記事では、線形代数って何だ?というところから記事を書いてみました。
今後どんどん具体的に皆さんがつまずきそうなところを記事にしていきますので是非ご覧ください。
(蛇足)線形性の語源まで考えると、なぜ線にしたのか不思議ですよね。線の長さは線形性を持つっていえばそれまでなんだが。なにか考えがある人はコメント残してほしいな!