数学って、”逆”が大好きですよね。高校で勉強してた時も、図形と方程式の問題で”逆も同様に成り立つか調べろ”って耳にタコができるほど言われたのを覚えています。
(このサイトでは常に質問を受け付けております!コメント欄に質問をいただくと後に記事にてお答えいたしますのでバシバシ質問ください!!)
なんなんですか
はい、逆三角関数の話をします。皆さん三角関数って習いましたよね。sinとかcosとかtanですね。今回はその逆関数です。三角関数の逆関数を考えるうえで注意しなくてはならない点が一つあって、それが定義域、値域です。
性質を知りたい人はここから、微積分について知りたい人は後半からご覧ください!
定義域と値域
y = sinx は定義域(-∞,∞)、値域 -1 ≦ y ≦ 1で、これは周期関数ですのでひとつのyに対して無数のxが存在します。つまりxがyの関数でないのです。これでは逆関数を定義できません。ですので定義域を値域が重複しない[-π/2,π/2]で切り取ります。そうして逆関数の定義通りグラフをy = x対象にクルっとして、右のようなグラフができます。この関数を y = Sin⁻¹x とかき、「アークサインx」「サインー1乗x」のように呼びます。これは定義域[-1,1]で値域[-π/2,π/2]ですね。sinxの切り取り後の定義域、値域が逆転しております。


y = cosx は定義域(-∞,∞)、値域 -1 ≦ y ≦ 1で、これもひとつのyに対して無数のxが存在しますので、今回は定義域を値域が重複しない[0,π/2]で切り取ります。そうして逆関数の定義通りグラフをy = x対象にクルっとして、右のようなグラフができます。この関数を y = Cos⁻¹x とかき、「アークコサインx」「コサインー1乗x」のように呼びます。 これは定義域[-1,1]で値域[0,π]ですね。cosxの切り取り後の定義域、値域が逆転しております。


y = tanx は定義域(-∞,∞)、値域 -∞ ≦ y ≦ ∞で、これも同様にyに対して無数のxが存在しますので定義域を値域が重複しない[-π/2,π/2]で切り取ります。そうして逆関数の定義通りグラフをy = x対象にクルっとして、右のようなグラフができます。この関数を y = Tan⁻¹x とかき、「アークタンジェントx」「タンジェントー1乗x」のように呼びます。 これは定義域(-∞,∞)で値域[ -π/2,π/2 ]ですね。tanxの切り取り後の定義域、値域が逆転しております。


これまでが今までもあったような逆関数の話で、ここから微積分っぽい話になります。
逆三角関数の微積分
逆三角関数の微分ではこれをめっちゃ重宝します。

なぜかって?逆三角関数の話は全然知らんくても三角関数の話はめっちゃ知ってるからです。というのは、例えばy = Sin⁻¹xの微分を考えるときに、上の等式を用いればこれを sinx の微分に置き換えられるのです!
dy/dx は Sin⁻¹xをxで微分しなければならないけど、x = siny であるがゆえに、dx/dy は cosyであることがわかります!(画期的!!)
dx/dy = cosy = √1-sin²y = √1-x²(xで表そう!)
ですから、すみやかに dy/dx = 1/√1-x² が求まります。
この考え方(逆関数の微分)は是非身につけましょう!友達にドヤれます。
例題
y = tanx の逆関数を微分しなさい。
解答
y = tanx の逆関数は x = tany であり、
dx/dy = 1/cos²y = 1 + x²
∴dy/dx = 1 / 1 + x²
どうでしょうか。案外簡単じゃありませんか?おなじようにcosxの逆関数の微分も導いてみてください(答は-1/√1-x²)
補足
微分の反対は積分ですから、1/√1-x²の積分がSin⁻¹xであることもわかりますね。勘のいいひとは気づいていたかもしれませんが、大学受験で頻出の下の積分はこんな解法があったんですよ!

最後に
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