大学の微積分の教科書前半で割と目新しい部類に含まれるうえにわかりづらいのがこれですね〜。今回はこれのお気持ちを理解するぞー。
(このサイトでは常に質問を受け付けております!コメント欄に質問をいただくと後に記事にてお答えいたしますのでバシバシ質問ください!!)
まずは定義
点a近くで定義された二つの関数f.gに対し、

であるならば、

とかく。このo()をランダウの記号という。
(以下、ランダウの記号の定義で考えたf(x)を「弱い方」、分子g(x)を「強い方」と呼びますのでご了承ください)
例を挙げる
ランダウの記号は例えば、 cosx – 1 = o(x) (x → 0), e^x – 1 – x = o(x) (x → 0)といったように使う評価式です。これらを定義で確認すると、

のようになります。
(評価式…一方の辺を意味づけして見るための式(評価する式)。評価式は具体的な数値や式そのものを表さず、四則演算の法則は適用できないし、等式の法則も使えない。)
感覚でのとらえ方を言うと、「()内の式よりも点aにおいて十分弱い何かしらの関数」がランダウの記号の気持ちです。
さらにkwsk!
この気持ちをできるだけわかってほしいのでもっと詳しく説明します。
o(g(x))(x→a)と書いているときには、x→aにおいてg(x)より十分弱い何かしらの関数を置き換えていると思えば良いです。何が入っていてもおk、弱ければ。
例えば数学の話をしていてo(x²)とかいたとき、「今考えているxの範囲でx²より弱い関数はほぼ意味がないからわざわざ細かいところまでかきたくない。o(x²)でまとめてしまおう」という考えが背景としてがあります。o(x²)でまとめると何が入っているかわからなず弱いことしかわからないけど、それくらいの情報が伝えられれば良い。そういうときに使うのがこの記号です。
有名な近似で、e^x ≒ 1 + x + x²/2 (x≒0)というのがあります。実際グラフで書いてみると下のようにかなりいい制度の近似です。(緑が左辺、青が右辺のグラフ)

このとき、e^xについてx=0近辺で多項式として扱いたいとき、x²より次数が高い項はほとんど影響がないとしてまとめるときにo(x²)と表せば次のようにあらわせます。

(ここは個人の見解)この書き方、何がいいかっていうと≒を使わずに関数を近似に近い形で表せるのが強みだと思うんですよね。物理や化学を勉強しているとよく≒を使いますけど≒ってどのオーダーから近似してんだよ、と思うことが高校生のころ多々あったので、こういった形で極限に基づいてある程度厳密に(?)評価できるという点でランダウの記号が私は好き。
ランダウの記号の性質
ランダウの記号について有名な三つの性質を紹介します。(入門微分積分より)

これらの性質は、ランダウの記号のお気持ちがわかっていればよゆーでわかると思います。わからなければ出直してこい!!とは言いませんがどうでしょうか?
(1)x^nより弱い関数にx^mをかけたらx^m+nより弱い関数になる。(2) x^nより弱い関数にx^mより弱い関数をかけたらx^m+nより弱い関数になる。 (3) 二つの関数足したら強い方よりは弱くなる
以上がランダウの記号のお気持ちです!(個人的にはだいぶわかりやすくまとめられたような気がする!)次の記事でこれを有効活用した例も紹介するので是非ご覧ください
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